パイロットウォッチの名作!世界中の愛好家が認めるタイプXX アエロナバル 初期型でコレクター愛を温めよう。
ひとむかし前のモノクロ ミリタリー映画に登場するようなパイロットが身に着けている腕時計。ふっと目が留まって、カッコいいなぁと思ったことはありませんか。
もしそういった経験のあるアナタには、ぜひオススメしたい高級腕時計があります。誰もが知っていたり、身に着けていたりするような高級腕時計ではなく、もう少し腕時計へのこだわりを強く楽しめるような上級者向けのブランドで、真の愛好家から慕われるオススメの逸品。
本日ご紹介する腕時計は、雲上ブランドとして知られるスイスの老舗高級腕時計ブレゲ社からタイプXX アエロナバル 初期型モデル Ref.3800ST/92/3W6 をご紹介します。
タイプXX アエロナバル 初期型 金リューズ Ref.3800ST/92/3W6
【タイプXX アエロナバル 初期型って何?】
タイプXX アエロナバル 初期型とは、ブレゲ社が1995年から民間に向けて販売した第3世代のパイロットウォッチのことです。ブレゲ社は1950年代からフランス空軍にミリタリーウォッチ「タイプ20(第1世代)」を納品しており、ブレゲ社のタイプコレクションは軍用腕時計の「タイプ20」にルーツをもちます。
1954年にブレゲ社がフランス空軍に約2000本納品したとされる第1世代のタイプ20。ダイヤルにはブランドロゴのデザインがありません。菊リューズや30分積算計が特徴的。
(出典)Phillips Auctioneers「 Four Incredibly Rare Breguet Type XX Chronographs」
(URL)https://www.phillips.com/article/31672026/four-different-breguet-type-xx-chronographs-reveal-the-transition-from-test-to-civilian-model
「タイプ20」と命名された理由は、フランス空軍のプロジェクト名にちなみます。
世界で最も重要な芸術作品、宝石、時計、写真など、国際的なコレクターが集う権威あるフィリップスオークションによると、ダイヤルにブランド名がデザインされていない「タイプ20」は、ケースの裏側に製造メーカーや発行番号、修理日、利用期間などの情報が刻印されていると謳われています。
ケースの裏側に刻印された製造メーカーや発行番号、修理日、利用期間など
(出典)Phillips Auctioneers Racing Pulse New York Auction 12 December 202016 Breguet
(URL)https://www.phillips.com/detail/breguet/NY080120/16?fromSearch=%20Type%20XX&searchPage=1
ブレゲ社は1965年から1970年初頭にかけて「タイプ20」を民間向けにアレンジして販売。民間向けの腕時計は「タイプXX」と命名され、軍用モデルとは区別されるようになります。
この当時の「タイプXX」のディティールは、1995年から2013年に製造された第3世代 タイプXX アエロナバルの初期型に継承されています。
タイプXX アエロナバル 初期型は、おおよそ2000年前後まで製造されており、それ以降はマイナーチェンジが施された後期型として愛好家の間では認識されています。
1965年から1970年初頭まで製造された民間向けの「タイプXX」。その特徴は第3世代のタイプXX アエロナバル 初期型に継承されています。
(出典)Phillips Auctioneers「 Four Incredibly Rare Breguet Type XX Chronographs」
(URL)https://www.phillips.com/article/31672026/four-different-breguet-type-xx-chronographs-reveal-the-transition-from-test-to-civilian-model
世界中のミリタリーウォッチコレクターの中で、タイプXX アエロナバル は手に入れたいコレクションの1つ。では、第3世代タイプXX アエロナバルの初期型に代表する5つのポイントをチェックしてみましょう。
第3世代 タイプXX アエロナバル 初期型
【タイプXXのアエロナバル 初期型と後期型の違いとは?】
1.金素材を採用したリューズ
初期型に採用された金素材のリューズ。どの角度から眺めても、さりげないカッコ良さがウリ。
後期型はSS素材に変更されています。リューズは消耗品のため、アフターメンテナンスの際に後期型のSS素材のリューズへ交換されてしまうこともあるので、初期型の金リューズは貴重です。
第3世代 タイプXX アエロナバル 初期型 金リューズ
第3世代 タイプXX アエロナバル 後期型 リューズ
2.バックル
初期型のフォールディングバックルは両開きタイプの仕様になっています。後期型は片開きのバックル仕様に変更されています。
第3世代タイプXX アエロナバル初期型のバックル
第3世代タイプXX アエロナバル後期型のバックル
3.ブレゲのロゴ
初期型のダイヤルにデザインされたBREGUETの「t」には横棒がありません。「タイプ20」のロゴデザインを継承しています。後期型は横棒があるデザインに変更されています。
第3世代タイプXX アエロナバル初期型の「T」
第3世代タイプXX アエロナバル後期型の「T」
4.トリチウム夜光
初期型の夜光塗料にはトリチウムを採用しています。後期型はスーパールミノバ仕様に変更されています。
※ブラックライトを当てた後に、暗がりで撮影しています。
第3世代タイプXX アエロナバル初期型トリチウム夜光
5.200M防水
初期型は200M防水機能に対し、後期型は100M防水に変更されています。
第3世代 タイプXX アエロナバル 初期型 200M防水
第3世代 タイプXX アエロナバル 後期型 100M防水
【第3世代 タイプXX アエロナバル 初期型と後期型の共通点は?】
これまで初期型と後期型の違いをみてきましたが、これからは両社の共通点を探っていきましょう。ポイントは3つです。
1.コインエッジのケースサイドデザイン
共通のポイントは、ブレゲ社のケースデザインでお馴染みなコインエッジのケースサイド。ミリタリーウォッチをルーツとするタイプXX アエロナバルに、洗練されたコインエッジのケースデザインを施すことで、力強いパイロットウォッチの中に美しさや上品さを演出!
第3世代タイプⅩⅩアエロナバル初期型コインエッジ
均一のとれたコインエッジのデザイン性の高さは、ブレゲ社の王族階級を顧客として虜にしてきた歴史的な凄味をも感じさせる逸品です。
下の画像はフランス軍に2000本納品されていた「タイプ20」を改良したもので、15分積算計に仕様変更されています。こちらの「タイプ20」にもベゼルきわにコインエッジのデザインを見ることができます。
積算計を15分に改良した第1世代「タイプ20」。ダイヤルにブランドロゴが入った個体は約500本空軍に納品されたと言われています。
(出典)ブレゲ公式HP
(URL)https://www.breguet.com/jp/歴史/年表/年表/クロノグラフ「タイプ-20」と「タイプ-xx」、時計製造と航空の絆
2.39mmのケースサイズ
腕に収まりの良いケースサイズ39mmは共通です。
3.名作レマニア社(現ブレゲ社)フライバック クロノグラフ搭載のCal.582
第3世代のタイプXX アエロナバルには、民間向けに初めて搭載された自動巻きフライバッククロノグラフとして、レマニア社のCal.582を採用。
レマニア社といえば、かつてブレゲ社に買収されたスイスの汎用ムーブメント供給メーカーです。現在はブレゲ社と共に、スウォッチグループの傘下に所属しています。
ちなみにフランス空軍に納品されていた「タイプ20」には、フライバッククロノグラフ機能を備えるバルジュー社のCal.222を搭載。計測のし易さでパイロットから絶大な人気を集めたフライバッククロノグラフ機能の魅力は、第3世代のタイプXXにも継承されています。
名作レマニア社(現ブレゲ社)フライバック クロノグラフ搭載のCal.582
【タイプXX アエロナバルはどういう人にオススメのモデル?】
ミリタリーウォッチという軌跡をたどるアエロナバルは、生粋の腕時計愛好家から好まれます。流行り廃りでアエロナバルを選ぶユーザー様は非常に稀なので、誰でも知っている高級腕時計ではなく、セミビンテージを感じる貴重なパイロットウォッチを100万円前後の価格でご検討の方にはオススメのモデルです。
ブレゲ社の知名度はROLEX社やオメガ社のように、高級腕時計に明るくない人からも知られているという訳ではありません。知る人ぞ、知る!スイスの高級腕時計老舗メゾン……、それがブレゲです。
【トランスアトランティックとの違いって何?】
両モデルは似ていて混乱する方も多いコレクション。アエロナバルとトランスアトランティックの違いを見極めるポイントはデイト機能の有無です。
下の2つの画像を見比べてみましょう。左側のトランスアトランティックは6時位置にデイトが表示されています。対して右側のアエロナバルはノンデイトです。
年代によってはベゼルの仕上げ手法が異なるので、お好みのタイプを探してみましょう。
(左)トランスアトランティック (右)アエロナバル
【気になる購入後の修理(オーバーホールなど)の料金は!?】
ブレゲ社は世界最大のスイス腕時計企業が集結した複合企業「スウォッチグループ」の傘下に所属しています。スウォッチグループの傘下に集うブランドは並行格差なく、丁寧なアフターメンテナンスサービスを得られることで有名です。
国内正規品も並行輸入品も関係なく、同じ価格でオーバーホールなどのメンテナンスを受けられるのは、腕時計と末永くお付き合いする愛好家からすると安心のシステムです。オーバーホールの基本料金は200,200円(税込)。
「破損や水が内部に侵入していた」などのイレギュラーが発生した場合は、交換パーツなどが別途料金として基本料金に加算されます。ちなみに大切な金リューズの交換が必要な場合は、日本国内に在庫が無ければスイスから金リューズを取り寄せて装着してくれるようです。(2023年6月)
※修理代金や交換内容は予告なく変更される場合もありますので、ご参考までにご確認下さい。詳しくはスウォッチ カスタマーセンターにお問い合わせください。
【URL】https://swatchgroup.jp/customer-service/breguet_repair
(出典)スウォッチグループ公式HP
(URL)https://swatchgroup.jp/
【気になる下取り買取事情!?】
生産終了になったアエロナバルの当時参考定価は840,000円 (税込)。それに対して、中古販売価格は約950,000~1,122,000円(税込)というプレミア価格。(2023年6月時点)
査定金額はコンディションや付属品の有無によって前後しますが、現時点の弊社概算金額として約700,000円前後が推定されます。(2023年6月時点)
弊社公式HPまたは店頭で販売中のアエロナバルを購入された後に下取・買取をご検討の場合、約250,000~422,000円前後の価格でアエロナバルが楽しめます。
※現時点で弊社が販売している商品をご購入頂いた場合のおおよその査定金額となります。予めご了承下さい。(2023年6月現時点)
ブレゲ社は非常に歴史の深いブランドで、高級腕時計の上級者の方々から厚い信頼を得ていることで知られています。過去の大物顧客には、フランス王国のルイ16世の妻、マリーアントワネットやポレオン・ボナパルトをはじめとする王族貴族からこよなく愛されていたことは有名なお話。
高級腕時計入門ステージからセカンドステージに上がりたい人や、老舗ブランドへの理解を示される愛好家の方々に選ばれるブレゲ社。
タイプXXのアエロナバルは知名度の高さを求めるのではなく、世界中の愛好家が認めるセミヴィンテージのパイロットウォッチをお探しの方に是非手に取ってほしいモデルです。
タイプXXアエロナバルの初期型モデルはレアウォッチ。生産終了したモデルの個体数は限られていますので、是非リセールバリューの良いこの機会をお見逃しなく!