デカくて、ぶ厚いケースサイズなのに、スーツやジャケットに似合う腕時計が欲しいと思っていませんか？
歴史を感じるようなミリタリーウォッチの世界観に、ドップリと浸りたいと思っていませんか？

タフで上品な男らしさを醸し出す腕時計が欲しいと思っていませんか？

そんなアナタにオススメ！元イタリア海軍に軍事精密機器を納品していた有名な高級腕時計メーカーがあるのです。
暗闇でもバツグンの視認性を保持するダイヤルや、シックで洗練されたデカ厚な外装デザインを魅力としたミリタリーウォッチを身に着けて、ガッシリ決めるオトコらしさの前面アピールしてみませんか？

今回はパネライの歴史を紐解くPart 1と、バイヤーオススメの逸品である新世 ルミノール マリーナ 1950 3DAYS アッチャイオ 42MM（PAM00722）の魅力をご紹介するPart 2の2部構成でお届けします！

イタリアの高級腕時計ブランドとして、世界中に高級スポーツウォッチのデカ厚ウォッチブームを巻き起こした新参者、オフィチーネ・パネライ！創業は1860年。レオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイなどの歴史的偉人を輩出したとしても知られる、世界遺産の街イタリアのフィレンツェに、創業者のジョバンニ・パネライ氏は時計販売店、修理工房、そしてイタリア初の時計製造学校としてOrologeria G.Panerai&Co.を設立します。

創業約200年以上の歴史的深みで言えば、パテック・フィリップやブレゲ等の世界5大高級腕時計ブランドの老舗並みに立派な同社ですが、高級腕時計市場に参入したのは1992年と最近の話。

それもそのハズ！同社はイタリア海軍の秘蔵っ子敏腕メーカーとして、高性能な手首装着型の水深計やコンパス、耐水圧性を保持する水中信号灯などを含めた軍事用精密機器や軍事用具を海軍に納品していた、生粋のミリタリー専門業者の側面を備えていました。

1972年には、これまでパネライ一族が経営主体であった経営体制をイタリア海軍のエンジニアであり、イタリア海軍士官でもあったディノ・ゼイ氏に託し、オフィチーネ・パネライは新しい時代を迎えるのです。パネライの開発した製品は、イタリア海軍の機密事項として、1992年の軍事機密指定解除となるまで、軍に関わる製品の一切は非公表とされていました。

世界大戦終結による軍用需要の減少から、一般腕時計市場の参入に大きく舵を切る決断をした同社は、1993年にイタリア海軍のミサイル駆逐艦デ・ラ・ペンネ級駆逐艦の船上で、実戦に使用された主力ダイバーズウォッチ「ルミノール」「ルミノールマリーナ」「マーレノストゥルム」の一般販売に向けた記念すべき式典を開催！式典にはイタリア旧王族のイタリア海軍潜水部最高責任者アオスタ公アメデーオ氏などの権威も参列し、同社は大きな門出を迎えます。

1997年にはリシュモングループ傘下に所属し、その翌年に開催されたスイス・ジュネーブでの国際高級時計サロン SIHH（Salon de la Haute Horlogerie of Geneva）では、初参加にも関わらず、これまで見たこともないデカくて厚いケースデザインのミリタリーウォッチに世界が驚愕！

すでに完成されたデザインと言えるパネライの腕時計は、優秀な軍用メーカーとして培ってきた確固たる技術や数々の特許を礎とした機能面も優れたピースとして、世界中に更なるファンを獲得し、大人気高級ウォッチメーカーに肩を並べます。その圧倒的な存在感をまとうスポーツウォッチに世界は魅入られたのです。

パネライ社のフラッグシップモデルの中で、有名なラジオミールとルミノール！これらのコレクションはズバリ、同社が特許を取得した夜光塗料の名称である事をご存じの方も多いハズ！

夜光塗料ラジオミールは、ラジウムを粉末化した化合物から形成されます。深海の暗闇で明るく発光するラジウム塗料は、当時のパネライ主力製品として世界で特許を取得した後、1949年前後に放射性物質を含む発光物質に対して人体への影響が注意喚起されるまで採用され続けます。

一方、夜光塗料ルミノールは、ラジオミールに変わり、発光物質に新しくトリチウムを採用したもので、こちらも世界中で特許を取得！1960年以降は発光物質にラジオミールは使用されず、その代わりとしてルミノールの使用が一般化していきます。

同社は1916年に3代目となる敏腕経営者 グイド・パネライ氏が社名をオロロジェリア・スヴィッツェラと改め、ロンジン、ヴァシュロン・コンスタンタン、モバード等のブランド以外にも、ロレックスやパテック・フィリップなどと新たに代理店契約を締結します。さらに広告宣伝がもたらす小売業への可能性に着目したグイド氏は、年に2度、同社で取り扱う時計や貴金属、ジュエリー等の製品カタログを製作してイタリア初の通信販売事業を展開！

偉業はそれだけに留まらず、新しい取引先として、イタリアの国鉄に時計を供給し始めた同社は、鉄道員の給料から時計代金を天引きするシステムを導入させたり、イタリア海軍へ夜光塗料のラジオミールを採用した高性能な手首装着型の水深計やコンパス、耐水圧性を備える水中信号灯などを含めた軍事用精密機器や軍事用具を納品し始めたりと、イタリア国内での卓越した地位を勝ち得ていきます。

4代目経営者のジュゼッペ・パネライ氏の代になると、兄弟に時計販売店・修理店の経営を任せて、その確かな知識と技術力により、フィレンツェの中でも、大成功を収めたスイス腕時計の代理店高級時計店兼修理店に成長していく一方、ジュゼッペ氏自身は海軍の軍事開発に全力を注いでいきます。

第二次世界大戦期、イタリア海軍には低速魚雷を用いて、夜間奇襲を主な任務とする特殊部隊（通称：ブラックシール）が結成されます。彼らの過酷な深海任務では暗闇の中でも正確に時間を認識し、確実に任務を遂行できる高い視認性と、耐水圧性が保持された時計やコンパスの使用が不可欠。

イタリア海軍の要望に応えるべく、ロレックス社と代理店契約のあった同社はイタリア海軍からロレックス社の時計を大量に仕入れます。ロレックス社のムーブメントをベースに、4代目経営者のジュゼッペ・パネライ氏の改良を加え、ラジオミールを夜光塗料に仕様したプロトタイプ Ref.2533は1936年に開発成功され、その2年後にイタリア海軍へ納品されます。

ダイヤルはサンドイッチ構造として2重設計！下層部には夜光塗料、上層部はインデックスをくり抜いたプレートを使用して、何度でも夜光塗料のラジオミールを塗り直しできるような、実用性の極めて高いダイバーズウォッチに仕上げ、夜光塗料の名称をなぞり、ラジオミールと命名します。

さらに1940年代に開発されたRef.3646は、現行のラジオミールのルーツモデルとして、直径4mmのクッション型ケースや夜光数字とインデックス、ケースに挟んだラグなどのディティールが、現行モデルの特徴に継承されています。

1954年には新しく２つのモデルRef.6152とREf.6154がテスト開発され、ラジオミールに使用されていた円錐状のリュウズから、チューブ状の円筒型ねじ込み式リューズが採用されます。

世界大戦が終結し、1950年代に差し掛かると、放射性物質の取り扱いについて世界中で注意喚起され始めます。同社もラジウムから新しくトリチウムを仕様した夜光塗料ルミノールを採用し、Ref.6152とREf.6154の外装にも改良を加え、ラグをケースと同じ一塊の金属ブロックから製造し、強度を増したダイバーズウォッチ Ref.6152/1を開発します。

一部の個体には、重厚な密閉式裏蓋の代替えとして、内部構造が覗けるようにプレキシガラスを採用したシースルーバックの設計がなされており、パネライ社は世界的に見ても先駆的な設計を実現していたと言われています。

ムーブメントには、1891年にスイスのル・ロックルに創業した高品質な自社製ムーブメントを製造しているマニュファクチュールのアンジェリュス社のムーブメントを採用！非常に丈夫で信頼性が高く、約8日間ものパワーリザーブが可能として、まさに現在のパネライ社が掲げる長時間パワーリザーブのルーツがこの時代に誕生するのです。

1997年にリシュモングループ傘下に所属した後、パワーリザーブに対する技術者魂やパネライ製品をブームで終わらせないために、2002年にスイスのヌーシャテルに同社のマニュファクチュールが創設され、2005年には約8日間パワーリザーブを実現した、パネライ初の自社製ムーブメントP.2002が発表されます。

それ以降も続々と信頼のおける自社製ムーブメントを開発し続ける、その見事な技術力と終わりなき探求心は、マニュファクチュール企業として、世界中から認められている所以です。完成されたブレない本物の価値を提供し続ける同社の信念は、これまで築き上げてきた卓越した技術と、歴史的価値をルーツに持ち合わせ、更なる進化を成しえるブラントと言っても過言ではありません。

ミリタリーウォッチの原型をルーツとして、暗闇でもバツグンの視認性を保持する高い性能と洗練されたダイヤル。ガッシリとした凛々しいケースデザインのコレクションはバリエーションが豊富で、パネライの世界観に魅了される愛好家は世界中にいます。

パネライが海軍のために製作した腕時計は、わずか300本。
ラジオミール Ref.3646を含めて、同社の実戦で使用されていたダイバーズウォッチは海軍の過酷な任務環境下での使用が余儀なくされており、現存している個体は、歴史的価値や資産性、希少性が極めて高いといえます。

世界で最も重要な芸術作品、宝石、時計、写真など、国際的なコレクターが集う権威あるフィリップスオークションでは、同社のルミノールマリーナミリターレ（Ref.6152/1）が、2020年11月のオークションでなんと日本円にして約2300万円前後で落札！
世界中の誰もが認めざるを得ない、同社のタイムピースの希少性や資産性、歴史的価値を世界中に見せつけた瞬間であったと言えます。

さて、Part.2ではパネライの人気モデルである ルミノール マリーナ 1950 3DAYS アッチャイオ 42MM（PAM00722）を存分にお届け致します。お見逃しなく！

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【出典元】
「URL：https://www.panerai.com/jp/ja/about-panerai/history.html」
「URL：https://www.phillips.com/detail/panerai/HK080220/998」
「URL：https://www.phillips.com/detail/panerai/CH080116/122?fromSearch=3646&searchPage=1」
「URL：https://www.phillips.com/detail/panerai/CH080216/152?fromSearch=3646%20Type%20D&searchPage=1」