アンティーク時計のオリジナルと純正って何が違うの?
今回はアンティーク/ヴィンテージ時計(以下アンティーク時計)の純正とオリジナルの違いをご説明させて頂きます。
アンティーク時計をお探しの方は見かけた事があるであろうオリジナル・リダン・純正のワード。
皆様は3つのワードの違いはお分かりでしょうか?
オリジナルとリダンは以前の記事でご紹介していますので、是非そちらをご確認下さい。
ヴィンテージ/アンティーク腕時計入門!ロレックスバブルバック編
分かる様でいざ説明するのは難しい、純正とオリジナルの違いをご説明させて頂きます!
純正とは?
アンティーク時計における純正というのは、メーカーの純正パーツが使われているという事を意味します。
年代物の為、ジェネリックパーツ(社外)等が使われる事も多々あり、純正ではないパーツが付いているアンティーク時計もございます。
特に革ベルトはメーカー純正では無い物を付けて販売している場合が殆ど。
その場合は社外製や、社外のメーカー名(例:JCペラン等)のベルトが装着されている旨を弊社では表記しております。
カメレオン用の社外製ベルトへと付け替えている。
当時のデザインを踏襲しながら現代のクオリティで作られており、使い勝手は抜群。
社外製だから悪い事が必ずあるかというとそういう訳では無く、予算やお求めのイメージに合わせて純正か社外パーツを組み合わせ、それをお伝えしてくれるお店を探すのが良いのではないでしょうか。
ただ、内部の機械に関しては、歯車1つ、ネジ1本単位では分かりかねる部分がございます。
その為、ムーブメントにおいてはベースが純正かどうかが評価の基準となってくる事が多いです。
オリジナルとは?
純正というのは理解頂けたたかと思いますが、その中でオリジナルとは何なのかという疑問が生まれた方も多いと思います。
簡潔に説明しますと、オリジナルとは当時のままという事を意味しております。
アンティーク時計の中には、純正パーツであっても年代が後年の物が使われている場合等もございます。
劣化や破損、修理の際に交換された等、理由は様々あり致し方ない部分ではございます。
後年のブレスレットへと変更されている為オリジナルではないが、純正のブレスレットが装着されている。
この年式のオリジナルは巻きブレスである。
例えばブレスレットにはクラスプコードと呼ばれる年式を判断する刻印が入っている場合もあり、時計本体(ヘッド部分)と年式が合っているかを確認する事が出来ます。
ヘッド部分とブレス部分において1~2年程のズレは、生産を同時に行っているという訳では無いので起こりえる現象ではございますが、それ以上に違う場合等はオリジナルではないパーツが付いているという事になります。
逆にクラスプコードが一致している場合は当時のままのセッティングという事でオリジナルのブレスレットという評価がされます。
尾錠やリューズもデザインから年式をある程度特定する事は出来ますので、オリジナル性が高いかどうかの判断等も可能となっております。
バブルバックのリューズは現行の様に王冠マークのみが入るデザインの物は無い。
リューズは消耗品の為、年式を考慮すると交換はされているが、年代が合うパーツが使われているのでオリジナル性が高いと言える。
弊社ではダイヤルはオリジナルという表記をさせて頂いておりますが、こちらはダイヤルは当時のままのダイヤルで修復等がされていないという評価となっております。
※針や夜光塗料に関しては修復や交換が入っている物も中にはございますが、あくまでダイヤルの本体部分での評価となっております。
オリジナルの文字盤は年代相応のダメージが入っている物も多い。
綺麗な状態でオリジナルを保っていると、値段も高くなる傾向がある。
まとめ
いかがだったでしょうか。
オリジナルと純正の違いはご理解頂けたかと思います。
ただ、オリジナルだから良いという事や、後年の純正だから悪いという事は決してございません。
オリジナル性が高いお品ですとやはりお値段が高くなる傾向があるのと、当時のブレスレット等は今の物と比べて耐久性に劣る為、気を遣う事も多々・・・。
ご予算とお使いになるシーンを想像しながら、お客様一人一人にあったお品を探して頂くのが、弊社としてはベストな考え方かと思います。
弊社ではそういったお客様に合うアンティークを探すお手伝い等が出来るように多種多様なお問い合わせフォームも設けております。
入門でこれからアンティークが欲しいと思っても中々店舗まで足を運ばないと教えて貰えない情報も多いかと思いますが、何か気になる点がございましたらお電話やメール、LINEでもお答えが出来る事も多いので、是非お気軽にお問い合わせ頂けましたら幸いです。