シェル文字盤の魅力とは?
腕時計の顔といえば文字盤。時計選びにおいて第一に印象を決めるのは文字盤デザインではないでしょうか。
どのブランドもその点を理解しているため、独特な目を惹くデザインにしたり、定番なデザインを伝統として残していたりするわけです。
今回はそんな中から一際強い個性を持ち、異彩を放つ「シェル文字盤」という存在に触れていこうと思います。
~シェル文字盤とは~
シェル文字盤とは文字通り貝殻を素材として作り上げられた文字盤のことです。
BREITLING[ブライトリング]
ベントレー GT Ref.A13362(A133628X/A786)
こちらのモデルはホワイトシェルが仕様されている。
光が当たる事で独特な凹凸模様が描き出される。
定番は白く輝く「ホワイトシェル」ですが、それ以外にブラック・ブルー・ピンクなど同じシェルでも色味の違いによって使い分けられているようです。
BREITLING[ブライトリング]
クロノマット 44 JSP ブラックマザーオブパール リミテッド Ref.AB01152A/BH20
上掲と同じブランドのブライトリングでもシェルの雰囲気は色味によってグッと変わる。
また、こちらの個体は模様が比較的薄い。
自然素材であり、高級腕時計に使えるほど美しいものでなければならないとなると、希少性が高くなるのも頷ける話です。
~シェル文字盤の魅力~
シェル文字盤最大の魅力は「圧倒的個性の強さ」でしょう。
シェル文字盤は前述の通り自然素材がそのまま使われています。そのため、同じモデルだったとしても同じデザインの時計とはならないのです。
それは言うなれば「圧倒的に個性が強い時計」であるということであり、言わば「世界に一つだけの時計を手に入れられる」ということです。
ROLEX[ロレックス]
デイトナ ダイヤモンド Ref.116509NG
同じ白シェルでも上掲のブライトリングとはかなり違う模様。
同じ模様のシェル文字盤というのは存在しない。
実物を見れるのであれば一度見て検討頂く方が良い。
そんな時計を所持したときの満足感や特別感は一線を画すものとなるでしょう。
次に、シェル文字盤の持つ特有の輝き方にも大きな個性が詰まっています。
文字盤は通常、真鍮などの金属素材が使われ、その素材をブランドデザインに沿った見え方をするように加工しています。
しかし、シェルの場合は金属と違い加工が難しいとされています。金属と比べてかなり柔らかく、割れやすい特徴があるので、最低限の加工のみに留められていることが多いです。
その結果、自然本来の状態で文字盤となり、優しくきらきらとするような輝きが出るのです。
この輝きは一つとして同じものはなく、見る角度や光の強さ・周りの環境により大きな変化が出ます。
人工的に作り上げることができない自然由来のデザインが時計そのものの個性に繋がっているのです。
~シェル文字盤のデメリット~
魅力的なポイントがたくさんあるシェル文字盤ですが、所有することで発生するデメリットが一点あります。
「所有し維持することが他の時計に比べてややシビアである」ということです。
それは、天然素材であるシェルが金属素材に比べて柔らかく、脆いという部分に起因します。
金属素材であれば耐えられた衝撃で割れてしまうこともありえますし、天然素材ですので長い目で見れば劣化しやすい素材とされています。
メンテナンスという点で見ても、シェル文字盤のクォーツ時計を電池交換しようとすれば通常より料金が高いこともありますし、メーカー以外の修理工房でオーバーホールなどを依頼すると断られることもありえます。
時計職人の腕をもってしても慎重に扱わなければならないシビアな素材であるということがシェル文字盤の唯一のデメリットといえます。
~シェル文字盤おすすめモデル~
ご紹介したようにシェル文字盤にはデメリットもありますが、それを超えるほどたくさん魅力が詰まっています。
最後に当店で取り扱いのあるシェル文字盤のおすすめ時計を3本ご紹介します。
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ROLEXデイトナ ダイヤモンド116509NG
ROLEX[ロレックス]
デイトナ ダイヤモンド Ref.116509NG
シェル文字盤のデイトナはデイトナの中でもレアモデル。
メテオライト同様中々見かける機会は無い。
やはりシェル文字盤でもロレックスの時計がおすすめとして登場します。
こちらのモデルはダイヤモンドもあしらわれており、シェルの輝きと合わさって最上級モデルとしてふさわしい一本となっています。
ドレス系の時計に使われることが多いシェル素材ですが、こういったスポーティーなモデルでもその魅力は溢れて止まりません。
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OMEGA シーマスター 231.10.39.21.57.001
OMEGA[オメガ]
シーマスター Ref.231.10.39.21.57.001
同モデルで白色のシェルのタイプも展開されている。
ペアウォッチとしても使いやすいデザイン。
続いての時計は、オメガのシーマスターシリーズからこちらの一本です。透き通るような白から打って変わって暗めの色味が魅力の一本です。
ただのグレーではなく、緑やピンクなど見る角度や光の当たり具合によって大きく表情を変える時計です。
白く輝くダイヤモンドとのコントラストも非常に魅力的な一本となっています。
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CHANEL J12 8Pダイヤモンド H3214
CHANEL[シャネル]
J12 8Pダイヤモンド Ref.H3214
写真だと分かりにくいがシェル文字盤が採用されている
凹凸感は少なく、なめらかな表面となっていますが、光が当たればシェルだとはっきり分かる特別感を楽しむことができます。
ブレスレット、ベゼル、リューズのカボションなどあらゆる部分がホワイトでまとめられており、非常に上品な一本となっています。
~番外編~
今回はシェル文字盤に注目してご紹介してきましたが、当店で取り扱っている商品の文字盤にはこんな変わった素材もございます!といった時計を数点ご紹介します。
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HUBLOTクラシックフュージョン クロノグラフ ベルルッティ
HUBLOT[ウブロ]
クラシックフュージョン クロノグラフ
ベルルッティ スクリット オーシャンブルー
Ref.521.NX.050B.VR.BER18
若年層から絶大な支持を得るウブロが長年愛され続けている超名門革物ブランド「ベルルッティ」とコラボしたことにより生まれた時計です。
こちらの時計の文字盤にはヴェネチアレザーという革が使われています。
過去、文字盤に革素材が使ったブランドは存在しておらず、先進的なブランドであるウブロと、革素材を知り尽くしたベルルッティが協力したことで初めて生み出された傑作時計となっています。
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BREGUET クラシック5140 5140BB/29/9W6
BREGUET[ブレゲ]
クラシック5140
Ref.5140BB/29/9W6
知る人ぞ知る、エナメルダイヤルの最高峰
続いてご紹介する時計は名門時計ブランドであるブレゲが手掛けるクラシックです。
この時計には「グラン・フー エナメル」という素材が使われています。
見た目は透き通った白色であるものの、表面は陶器のような仕上がりとなっています。
製作にはかなりの手間と時間をかけて作り上げられ、「世界一美しい文字盤」として世に名を馳せています。
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HUBLOT クラシックフュージョン クロノグラフ イタリアインディペンデント
HUBLOT[ウブロ]
クラシックフュージョン クロノグラフ
イタリアインディペンデント
セラミック ピンストラップ
Ref.521.CM.2707.NR.ITI18
またもやウブロが登場です。
先進的なデザインを得意とするウブロは個性豊かなデザインを次々と生み出します。今回紹介した時計では文字盤にファブリック素材が使われています。
ベルトのデザインと合わせられているので、類を見ないほどの統一感が感じられます。
カジュアルな高級時計を突き詰めた完成形のような面白い印象を与えてくれる一本です。
~まとめ~
文字盤とはまさに時計の顔です。
色やデザインで考えるのはもちろんのこと、素材という観点で見てみるとまた違った面白さが発見できるかもしれません。
調べてみるほど天然素材で創り上げられた「世界に一つだけの時計」という存在に心が惹かれていくことでしょう。
我々ムーンフェイズでは今回ご紹介した時計以外にも様々な表情をしたシェル文字盤を取り揃えているので、ぜひ一度ご覧ください!