静かに煌めく個性 ― ロレックス「デイトジャスト Ref.1601 レッドアイダイヤル」
ブラックダイヤルの中に、わずかに赤い粒子が浮かび上がる―― それは“偶然”ではなく、1970年代前半にごくわずかに製造された希少仕様。市場では「レッドアイダイヤル」と呼ばれ、近年、ヴィンテージ市場で静かに注目を集めています。
このダイヤルは光の加減でわずかに赤みを帯び、現代ロレックスにはない奥行きと温かみを演出します。それは単なる黒ではない、ヴィンテージだけが持つ時間の深みです。
レッドアイダイヤルの赤色の正体
この赤色が生まれた背景については、いくつかの有力な説がございます。ここでは、その中でも特に支持されている二つの説をご紹介します。
【有力説①】顔料の経年変化が生んだ“赤の発現”
まず広く信じられているのが、「経年変化説」です。
ブラックダイヤルに含まれていた塗料の微量成分が、何十年という時間の中で酸化し、赤い粒子状の輝きを帯びるようになったと考えられています。
特に酸化鉄(Fe₂O₃)や酸化銅(Cu₂O)などの顔料が、紫外線や湿度の影響で変質し、光の角度によって“赤く反射する”という独特の表情を生み出した――これがレッドアイダイヤル最大の特徴と言われています。
【有力説②】塗料製造の試験的バリエーションまたは製造誤差説
もうひとつの有力な見解が、「試験製造・製造誤差説」です。
1970年代当時、ロレックスでは文字盤の新しい塗料や色味の試験開発が活発に行われており、その一部で意図的に混ぜられた顔料や、製造時のわずかな調合ミスが、この赤い煌めきを生んだのではないかと推測されています。
ステラダイヤルや特殊ラッカーの実験モデルと同じく、本来量産されなかった幻の仕様として、今もコレクターたちの間で“偶然の芸術品”として高く評価されています。
いずれにしても、製造数はごくわずか。同じ表情の個体は存在しないと言われるほどの希少性。その希少性とストーリーが、コレクターたちを魅了してやまない理由です。

外装・ムーブメントの魅力
そしていま、そんな幻とも言われるレッドアイダイヤルを搭載したデイトジャストが入荷しています。

ケースは36mmの王道サイズ。搭載ムーブメントはロレックス自社製Cal.1570。ハック機能付きの自動巻きで、高精度かつ実用性にも優れた名機です。
ベゼルには18Kホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルを採用。美しく磨かれた面が光を反射し、ヴィンテージらしい柔らかな輝きを放ちます。
ブレスレットは、1970年代当時の純正「巻きジュビリーブレスレット(Ref.6251H × FF55)」。経年による伸びは控えめで、腕なじみの良さと上質なクラシック感を味わえます。
コレクション価値と付属品
本個体はオリジナルダイヤルを保った希少な状態に加え、外箱・内箱・クロノメーター証明書・冊子など、当時の付属品が揃った極上の内容。ヴィンテージ市場においても、コレクション性の高い一本といえるでしょう。
写真だけでは伝えきれない、このレッドアイダイヤルの奥深い輝き。
ぜひ店頭で、実際に腕に載せてその魅力を感じてみてください。
🔍 商品スペック
- ブランド:ROLEX(ロレックス)
- モデル:デイトジャスト Ref.1601
- 製造年:1972年頃
- ムーブメント:自動巻き Cal.1570(ハック機能付き)
- 素材:ステンレススチール × 18Kホワイトゴールドベゼル
- ケースサイズ:36mm
- 文字盤:ブラック(通称レッドアイ/オリジナル)
- ブレスレット:巻きジュビリーブレスレット(Ref.6251H × FF55)
- 付属品:外箱・内箱・クロノメーター証明書・冊子
- 価格:¥648,000(税込)
- 保証:3ヵ月(ムーンフェイズ)
※2025年7月現在の情報です。
執筆:岐阜店スタッフ柴山
お問い合わせは 058-266-7759 まで
