ロレックスのクラスプコードとは?初心者でもわかる年代判別の基本
ロレックスを調べていると耳にする「クラスプコード」。
時計に詳しくない方には少し難しく感じるかもしれませんが、実はブレスレットの製造年代を知るための大切な情報です。
今回は、はじめての方にもわかりやすくクラスプコードの意味と読み方、そして注意点を解説します。
クラスプコードとは?
クラスプとは、ブレスレットを留める「バックル」のこと。
その内側に小さなアルファベットや数字が刻まれていて、これをクラスプコードと呼びます。
クラスプコードはそのブレスレットがいつ作られたかを示す目印になっています。

クラスプコードがない場合
すべてのロレックスにクラスプコードがあるわけではありません。
そのため、「クラスプコードがない=偽物」というわけではなく、モデルや年代による仕様の違いとして理解する必要があります。
数字だけのクラスプコード
1970年代前半までは、アルファベットではなく数字だけのコードが刻まれていました。
この数字は「期/年」を意味しており、例えば「1/72」なら1972年1期、「3/71」なら1971年3期の製造を表します。
この方式は1976年にアルファベット方式が導入されるまで使われていました。
どうしてクラスプコードが大事なのか
ロレックスは長い歴史があり、同じモデルでも年代によって仕様が違います。
クラスプコードを確認すれば、時計が本当に当時のままかどうかを判断する手助けになります。
ロレックスではケースとブレスレットの製造タイミングが必ずしも同じではないため、一致していると「当時のオリジナル性が高い」と判断できます。
中古市場では真贋判定のポイントとしても重要です。
クラスプコード年代表(詳細版)
| 年 | クラスプコード | 備考 |
| 〜1960年代前半 | 表記なし | リベット・初期ジュビリー |
| 1960年代後半〜1975年 | 数字表記(例:3/71) | 「月/年」表記 |
| <アルファベット期> | ||
| 1976年 | A | アルファベット方式開始 |
| 1977年 | B | |
| 1978年 | C | |
| 1979年 | D | |
| 1980年 | E | |
| 1981年 | F | |
| 1982年 | G | |
| 1983年 | H | |
| 1984年 | I | |
| 1985年 | J | |
| 1986年 | K | |
| 1987年 | L | |
| 1988年 | M | |
| 1989年 | N | |
| 1990年 | O | |
| 1991年 | P | |
| 1992年 | Q | |
| 1993年 | R | |
| 1994年 | S | S=Service交換の意味の可能性もあり |
| 1995年 | T または W(W1〜W12) | Wは月表記(例:W3=3月) |
| 1996年 | V | |
| 1997年 | Z | |
| 1998年 | Z または U | 併用期 |
| 1999年 | X | |
| <2文字コード期> | ||
| 2000年 | AB | 2文字コード期スタート |
| 2001年 | DE | |
| 2002年 | DT | |
| 2003年 | AD | |
| 2004年 | CL | |
| 2005年 | MA | |
| 2006年 | OP | |
| 2007年 | EO | |
| 2008年 | PJ | |
| 2009年 | LT | |
| 2010年 | RS | |
| 2011年 | CP または ランダム | |
| 2012年〜 | ランダム | 年対応なし |
※初期は「表記なし」→「数字」→「アルファベット」へと移行しています。
「S」コードに注意
クラスプコードの中でも「S」は特別です。通常は1994年の製造を意味しますが、同時に「Service(サービス交換)」の頭文字として使われる場合もあります。
つまり「S」と刻まれていても、必ずしも1994年製とは限らず、ロレックス正規サービスで後年交換されたブレスレットの可能性もあります。
なお、サービスブレスレットはロレックス純正の正規交換部品です。コンディションが良く実用性が高いという大きなメリットがあり、特にヴィンテージではブレスレットの伸びを解消できるため日常使用の快適性が向上します。オリジナル性重視のコレクションでは評価が分かれる一方で、実用面では価値のある選択肢です。
よくある質問
-
Q:ケースのシリアル番号とクラスプコードは必ず一致するの?
→ いいえ。ブレスレットは交換可能なので、必ずしも一致しません。数年ズレていても自然です。 -
Q:クラスプコードがないロレックスもある?
→ はい。1950年代〜1960年代前半のモデルには刻印がありません。 -
Q:偽物の見分けに役立つ?
→ はい。刻印のフォントや位置が不自然なものは偽物の可能性が高いです。
まとめ
クラスプコードはロレックスのブレスレット製造年代を知るヒントです。
初期は表記なし、次に数字だけ(例:1/72)、そしてアルファベット方式へと移行しました。
さらに2000年代には2文字表記やランダムコードへと変化しています。
特に「S」コードは1994年を示す場合とサービス交換を示す場合があるため、注意が必要です。
ロレックスを選ぶ際には、クラスプコードだけでなくシリアル番号や保証書と合わせて総合的に確認することが大切です。
弊社MOON PHASEでは、こうしたディテールまで丁寧にチェックし、安心してお選びいただけるロレックスをご紹介しています。
執筆:岐阜店スタッフ 柴山
お問い合わせ:058-266-7759
